入札・契約制度の改善について
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平成21年9月1日
東日本高速道路株式会社
NEXCO東日本は工事の品質確保を図るため、品確法に基づき技術力と価格を総合的に評価して落札者を決定する総合評価落札方式を適用しています。また、低入札価格対象工事については、施工中の監督検査体制を強化することにより、工事の品質の確保を図っています。
しかしながら、最近の低入札価格調査ヒアリングの結果、当該工事に必要な費用を他の工事から補填することなどが見受けられ、また、低入札以外の工事でも不適切な事象が発生するなど、工事の適正な品質の確保や安全性確保に疑念が生じています。
このことから工事のより適正な品質等を確保するため、低入札価格調査制度や総合評価落札方式等に係る入札・契約制度を次のとおり改善し、9月以降に入札公告を行う工事から適用することとします。
1 低入札価格に対する厳格な対策
1.入札時の改善(低入札価格調査の厳格化)
- 東日本大震災に伴う低入札価格調査については、こちらをご覧ください。
1−1 低入札価格調査における失格基準の設定
低入札価格調査において次の失格基準に該当した場合は、落札予定者の入札は無効とします。
・数値的判断基準(WTO対象工事を除く)
当社が定めた直接工事費と共通仮設費の合計額の70%に相当する額に対し、落札予定者の直接工事費と共通仮設費の合計額が下回る場合。
・数値的判断基準以外の基準
- 調査資料の提出を求めた日の翌日から7日以内(休日を除く)に契約責任者あてに調査資料の提出がない場合。
- 提出を求めた調査資料の各様式及び各様式の添付書類が不足している場合。
- 作成要領で定めている記載要領に示す事項が、すべて記載されていない場合。
- 作成要領で定めている添付書類に示す事項が、すべて添付されていない場合。
- 低入札価格調査資料の提出書及び誓約書に代表取締役の押印がされていない場合。
- 入札した価格で施工が可能である具体的な理由が記載されていない場合。
- 設計図書での要求事項を理解して見積を行なっていない場合。
- 単価表・設計図書に示された数量・単位等によって積算がされていない場合。
- 工法を指定している場合に、指定の工法によって施工することとされていない場合。
- 見積(入札価格の算出)された金額の合理性・現実性が計数的に証明されていない場合。
なお、次に示す場合も同様として扱うものとする。- 入札価格の算出が下請けの見積によるとされている場合に見積書の写しや過去の取引実績等の根拠が添付されていない場合。
- ヒアリングに対し提出された提出資料に基づいた説明が出来ない場合。
- 提出資料の記載内容等に不備があってヒアリングを実施出来ない場合。
- ヒアリングに応じない場合(当該工事に配置する技術者がヒアリングに応じない場合を含む)。
- 現場を管理していくために必要な現場管理費が適切に計上されていない場合。
- 企業の経営活動に必要な一般管理費等が計上されていない場合。
- 建設副産物について適正な処理費用が計上されていない場合。
- 建設副産物の搬出予定地や処理体制等が設計図書に合致しない場合。
2.施工段階の改善
2−1 監理技術者の増員(低入札価格調査対象)
専任の監理技術者の配置が義務付けされている工事において、低入札調査基準価格を下回る入札を行った者が落札者となり、その者が入札日を基準日として過去2年間において次のいずれかに該当する場合は、現場代理人及び監理技術者とは別に、監理技術者相当の資格を有する技術者を工事期間中現場に専任で配置することを求めます。
- 工事成績評定が65点未満の評価を受けた者
- 粗雑工事・契約違反・公衆損害事故・工事関係者事故により1箇月以上の競争参加資格停止を受けた者
- 施工中又は施工後に工事請負契約書に基づく修補又は損害賠償の請求を受けた者
- 遅延損害請求を受けた者
2−2 施工体制の点検強化(低入札価格調査のうち重点調査対象)
・施工体制台帳の確認
施工体制台帳の内容のヒアリングを必ず行うこととし、施工体制台帳の記載内容が重点調査時の内容と異なる場合は、その理由等について確認します。
・施工計画書の確認
施工計画書の内容のヒアリングを必ず行うこととし、施工計画書の記載内容が重点調査時の内容と異なる場合は、その理由について確認します。
・工事コスト調査
工事コスト調査は、共通仕様書に規定する諸経費動向調査に基づき請負人に行うよう求め、工事施工中における調査結果が重点調査時の内容と異なる場合は、その理由について確認します。
3.しゅん功時の改善(低入札価格調査のうち重点調査対象)
・工事コスト調査のヒアリング
工事コスト調査は、共通仕様書に規定する諸経費動向調査に基づき請負人に行うよう求め、工事完了後、速やかに契約責任者への提出させ、その結果が重点調査時の内容と異なる場合は、その理由について確認します。
4.その他
工事の施工中又は施工後において、低入札調査時における調査内容について虚偽の事実が確認された場合は、当該工事の工事成績評定において厳格な反映を行うとともに、案件の内容によっては、競争参加資格停止の措置を行います。
また、案件の内容が建設業法に違反する行為であった場合には、直ちに建設業許可部局へ関係情報の通報を行います。
【参考資料】
工事における低入札価格調査について(要領)
- 上記要領及び様式は、調達情報の契約規程等をご覧ください。
2 総合評価落札方式の改善
1.加算方式への全面移行
総合評価落札方式の評価値の算出方法は、技術評価点を入札価格で除算する方式(除算方式)から、技術評価点と価格評価点を各々算出してから加算する方式(加算方式)に全面移行します。
1−1 評価値の算出式
- 技術評価タイプが「技術提案評価型」、「工事成績評価型」及び「施工体制評価型(Ⅰ型)」(注1)の場合
評価値 = 価格評価点 + 技術評価点
- 技術評価タイプが「施工体制評価型(Ⅱ型)」(注2)の場合
評価値 = 価格評価点 + 技術評価点 + 施工体制評価点
(注1)「施工体制評価型(Ⅰ型)」
「発注実績が少ない工事」や「技術的難易度が低く不良・不適格業者の競争参加のおそれがある工事」などを対象に、入札前に適切かつ確実な施工の確保を行うために、「同種施工実績や成績等及び簡易な施工計画」の提出を求め、技術評価を行い、入札時の価格評価との総合評価により落札者を決定する方式。
(注2)「施工体制評価型(Ⅱ型)」
「低入札価格調査となることが多く、事前に品質確保等のための体制を確認することが必要と判断される工事」を対象に、入札前に「同種工事実績や成績等」の提出を求め、技術評価を行うとともに、入札時に提出された「品質確保等の体制資料」の内容及びヒアリングの結果に基づき、施工体制の評価を行い、入札時の価格評価との総合評価により落札者を決定する方式。
1−2 価格評価点の算出式
2.技術評価の評価項目の改善
- 緊急時の迅速な対応を求められる工事等、工事の特性により地域の企業の施工等を活用することによって、当該工事の品質の確保や安全性の向上が期待できる等の場合は、工事成績評価型及び施工体制評価型(Ⅰ型)、(Ⅱ型)の技術評価の評価項目に「施工の円滑性」を追加し、評価します。
評価項目 | 評価内容 | |
---|---|---|
施工の円滑性 | 施工地域での施工実績 | 施工地域における同種工事の施工実績の状況により評価 |
現場との連絡体制 | 施工地域において技術者が常駐する拠点の状況により評価 | |
地域企業の活用状況 | 地域企業の活用状況により評価 | |
地域資材の活用状況 | 地域資材の活用状況により評価 |
- 工事内容により、上記評価項目の中から適宜選択し、選択した評価項目に基づき「施工の円滑性」を評価します。
- 施工体制評価型(Ⅱ型)に入札率に応じた「施工体制の評価」を追加し、品質確保等に係る体制の評価を行います。
3 技術力再評価措置の導入(競争参加資格審査での再評価)
B等級相当の土木工事のうち、対象工事の競争参加資格としてB等級有資格者のほか、対象工事の施工地域内に存するC等級有資格者の競争参加の申請を認める工事については、競争参加申請者の国土交通省における施工地域内の施工実績を加算のうえ、再評価(技術評価点の再評価)して、その算定結果により、当該者がB等級相当と認定された場合に対象工事への競争参加が可能となります。
なお、技術力再評価措置に関する申請方法などは、入札公告に掲載します。
4 円滑な業務執行のための対策
入札の不調の恐れがある小規模工事や入札不調により地域などに対し安全性への影響の恐れがある災害復旧工事等、地域の優良企業が施工することで、より円滑な工事が確保できる場合は、「拡大型指名競争入札方式」(注)を適用します。
なお、施工実績者数が相当数確保される場合は、条件付一般競争入札の競争参加資格要件に「地域要件」を設定します。
(注)地域の企業で競争参加資格要件(施工実績等)を有する者を指名(実績者を全指名)するとともに、地域の企業以外でも競争参加資格要件(施工実績等)がある場合は競争参加することができます。