『AI渋滞予知』2022年7月28日より【E14】京葉道路でも実証実験を開始
~配信時刻も1時間前倒しとなり毎日13時に配信~
令和4年7月27日
東日本高速道路株式会社
株式会社NTTドコモ
東日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東日本)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、CA東京湾アクアライン(以下、アクアライン)および、E17関越自動車道(以下、関越道)でこれまで実施してきた※1「AI渋滞予知」について、2022年7月28日(木)から新たにE14京葉道路でも実証実験を開始します。
さらに、人口統計データの作成からAIによる予測、予測情報の配信までを高速化する、ドコモが新たに開発した技術により、同日から予測の配信時刻を14時から13時に1時間前倒しし、午後の予定をより早く計画していただけるようサービス向上いたします。
1.AI渋滞予知とは?
ドコモが持つ携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成されるリアルタイム版モバイル空間統計※2(以下、人口統計)と、NEXCO東日本が保有する過去の交通量・渋滞・規制などの実績データをもとにドコモが開発した「AI渋滞予知」技術、さらにNEXCO東日本の交通工学的知見・ノウハウを掛け合わせることで、当日の人出から所要時間や交通需要※3を予測しドライバーに配信しています。
「AI渋滞予知」は、約9割のお客さまから高評価をいただいています(別紙【PDF:885KB】参照)。
2.なぜ京葉道路か?
京葉道路は、東京都心と千葉県を結ぶ重交通路線であり、NEXCO東日本管内でも渋滞が多く発生する路線の一つです。
- 特徴①:平日と休日で利用者特性が異なるため渋滞発生状況が複雑に変化する
- 平日・・・通勤・業務目的のご利用が多い
- 休日・・・レジャー・観光目的のご利用が多い
- 特徴②:インターチェンジの間隔が短く、一般道との流出入が頻繁に発生する
- 特徴③:東関東自動車道や千葉東金道路といった同じ千葉県内の他路線からの流出入がある
NEXCO東日本とドコモは、AI技術を使って渋滞予測の精度を高め、お客さまの渋滞回避に役立てていただきたいと考え、京葉道路への「AI渋滞予知」の拡張を検討してきました。今回、アクアラインや関越道で提供している「AI渋滞予知」の技術を拡張し、より細かく人口統計の増減を分析することなどにより、このような複雑な条件下においても交通需要を予測する技術を新たに確立することに成功し、京葉道路に「AI渋滞予知」を導入することを実現しました。
なお、京葉道路の「AI渋滞予知」では上り線の「蘇我IC~篠崎IC」が対象となります。
今回の実証実験に先立ち、京葉道路蘇我ICから篠崎ICまでの過去(979日分)の交通状況について、予測による所要時間と実際の走行時間を比較したところ、30分以上の誤差となった日数は、「従来予測」※4の115日(11.7%)に対して、「AI渋滞予知」では14日(1.4%)となり、大幅な精度向上(30分以上の誤差となった日数の減)が確認できました。
1日における最大誤差の比較
1日における最大誤差 | 従来予測 | AI渋滞予知 |
---|---|---|
50分以上 | 6日(0.6%) | 1日(0.1%) |
40分以上 | 27日(2.8%) | 3日(0.3%) |
30分以上 | 115日(11.7%) | 14日(1.4%) |
20分以上 | 311日(31.8%) | 71日(7.3%) |
10分以上 | 767日(78.3%) | 287日(29.3%) |
- 1日における最大誤差とは、京葉道路蘇我IC~篠崎IC間の過去の交通状況をもとに、14時以降30分毎の予測所要時間と実際の走行時間を比較し、当日最大となった誤差の値を指すもの
- 蘇我IC~篠崎IC間を法定速度で走行した場合の所要時間:約29分
- 評価対象:2017年1月1日(日)~2022年2月28日(月)(事故や規制の発生日を除く979日)
3.配信時刻の1時間前倒し
午後の予定をより早く計画していただけるよう、ドコモが新たに開発した「リアルタイムAI社会基盤技術※5」により、人口統計データの作成からAIによる予測、および予測情報の配信までを高速化することで、予測の配信時刻を1時間前倒しします。
ご利用いただくお客さまにおかれましては、「AI渋滞予知」の予測情報を参考に、出発時間の調整や立ち寄り場所の追加など、分散利用による渋滞回避へのご協力をお願いいたします。
いままで | 14時に当日14時以降の30分ごとの予測情報を配信 【提供路線】アクアライン、関越道 |
これから | 13時に当日14時以降の30分ごとの予測情報を配信 【提供路線】アクアライン、関越道、京葉道路 |
4.AI渋滞予知の使い方
右の二次元バーコードからアクセスいただくか、NEXCO東日本のWebサイト「ドラぷら」のトップページよりバナーをクリックしてご活用ください。
【NEXCO東日本|NTTドコモ】AI渋滞予知
NEXCO東日本グループでは、2021~2025年までの期間を「SDGsの達成に貢献し、新たな未来社会に向け変革していく期間」と位置づけ、様々な取り組みを行っています。
また、ドコモは新ドコモグループ中期戦略の中で、パートナーと共に新たな価値の創出に取り組んでいます。
両社は今後も、「AI渋滞予知」のさらなる活用を検討し、交通課題の解決に取り組んでまいります。
- 【2017年11月30日プレスリリース】
NEXCO東日本とNTTドコモ、CA東京湾アクアラインにおいて「AI渋滞予知」による渋滞予測実証実験を開始
【2019年12月18日プレスリリース】
「AI渋滞予知」でE17関越自動車道の渋滞を予測! - モバイル空間統計のラインナップの1つである国内分布統計(リアルタイム版)。エリアごとや属性ごとの集団の人数を示す情報であり、お客さま個人を特定することはできません。本実験で使用する人口統計は、お客さまのプライバシーを厳重に保護するべく、モバイル空間統計を作成・提供する際の基本事項をまとめた「モバイル空間統計ガイドライン」を順守しております。
モバイル空間統計ガイドライン - 交通需要とは、各時間帯において高速道路を潜在的に通過しようとする車両台数で、道路が流せる交通量(交通容量)に制限が無かった場合の交通量に相当します
- 従来予測とは、NEXCO東日本が過去の渋滞実績を基に作成・公開する渋滞予測のことです
- 広範囲にまたがる大規模な人口統計データを高い効率でコンパクトに圧縮し、圧縮データを処理に直接使用することにより、大規模なAI処理を高速に行う技術
PDFファイルをご覧いただくには、AdobeSystems社のプラグインソフト「Acrobat Reader(日本語版)」が必要です。お持ちでない方は、こちらからダウンロード(無料)してご利用ください。