北関東自動車道全線開通後の半年間の交通状況と整備効果についてお知らせします
平成23年12月19日
東日本高速道路株式会社
関東支社
NEXCO東日本関東支社(東京都台東区)は、平成23年3月19日(土)の北関東自動車道(愛称:北関(きたかん)) 太田桐生IC~佐野田沼IC(延長18.6km)の開通により全線開通となった北関について、開通後半年間の交通状況と整備効果につきまして、以下のとおりとりまとめましたので、お知らせします。
交通状況
- 太田桐生IC~佐野田沼IC間の開通後半年間の平均交通量は、1日当り約27,500台
- 全線開通により既に開通している区間の交通量が1.3~1.5倍に増加
整備効果
- 全線開通によって広域的な高速道路ネットワークが拡充
- 東日本大震災の迅速な救援活動を支援
- 東日本大震災の救援物資等の輸送に利用
- 北関東3県相互の移動時間の短縮
- 物流の効率化や地域経済の発展に寄与
- 医療環境の向上に寄与
- 観光振興に寄与
太田桐生IC~佐野田沼IC間の開通後半年間の平均交通量は、1日当たり約27,500台
- 平成23年3月19日に開通した太田桐生ICから佐野田沼IC間の開通翌日の3月20日から9月30日までの平均交通量は、約27,500台/日となっております。
- 開通後の3月20日から9月30日まで最も多くお客様にご利用いただいたのは、ゴールデンウィーク期間中の5月3日(火・祝)で約53,600台/日となっております。
北関(太田桐生IC~佐野田沼IC間)の、半年間の交通量の推移
- 交通量は、太田桐生IC~足利IC間と足利IC~佐野田沼IC間のH23.3.20~H23.9.30まで各月の平均交通量
- H23.6.19に「休日特別割引の上限1,000円(土日祝日、普通車・軽自動車等)」終了
- H23.6.20から「東北地方の高速道路の無料措置」を実施
平成23年3月19日(土)に太田桐生IC~佐野田沼IC間が開通して、北関が全線開通となりました
全線開通により既に開通している区間の交通量が1.3~1.5倍に増加
- 全線開通により、既に開通している区間の交通量が、平成21年と比較して1.3~1.5倍に増加しました。
- 東北道と常磐道がつながった平成21年では、既に開通している区間の交通量が、平成13年と比較して2.7~5.7倍に増加しています。
- 交通量は4~9月の平均値
全線開通によって広域的な高速道路ネットワークが拡充
- 北関の全通により、中部・近畿地方⇔東北地方を結ぶ最短ルートが形成されました。
- 物流や防災に寄与する広域的な高速道路ネットワークが拡充されました。
- 北関の全通により既存の高速道路ネットワークが結節され、新たに広域的な高速道路ネットワークが形成されました。
- 距離、所要時間は「ドラぷら」を使用し、小牧IC~福島飯坂IC間で算出
東日本大震災の迅速な救援活動を支援
- 北関の太田桐生IC~佐野田沼IC間は3月19日に開通を予定していましたが、震災翌日の3月12日から緊急車両や復旧支援車両の通行に対応しました。
- 自衛隊の災害派遣部隊のほか、消防や血液輸送等の車両が北関を通行し、被災地へ向かいました。
開通前の北関を利用して、陸上自衛隊の災害派遣部隊が被災地へ出動
被災地までの全区間を高速道路で移動(陸上自衛隊第10師団の移動経路)
- 陸上自衛隊第10師団から提供された情報をもとに作成
東日本大震災の救援物資等の輸送に利用
- 北関が緊急輸送ルートの役割を果たし、福島第一原子力発電所で使用される巨大な高濃度汚染水貯蔵タンクが、迅速かつ円滑に現地に輸送されました。
福島第一原子力発電所で使用する高濃度汚染水貯蔵タンクの輸送ルート
- 平成23年6月16日から7月6日にかけて高濃度汚染水貯蔵タンク(120m3170基)が、栃木県鹿沼市内のタンクメーカーから東北道鹿沼IC⇒北関経由⇒常磐道広野ICのルートを使って福島県楢葉町のJヴィレッジまで輸送されました。
- 輸送に際しては、警察とNEXCO東日本も安全確保に協力しました。
高濃度汚染水貯蔵タンクの輸送状況
北関東3県相互の移動時間の短縮
- 北関の整備により、群馬・栃木・茨城の各県庁間の移動時間が整備前と比べて、北関利用で最大約140分、一般道利用でも約40分短縮されました。
- 太田桐生IC~佐野田沼IC間の開通により、並行する国道50号の交通量が最大で約3割減少しました。
群馬・栃木・茨城の各県庁間の移動時間の変化
- 整備前の移動時間はH11道路交通センサスより算出。
- 時間は、各県庁間の平均移動時間。
- 「宇都宮~水戸」はR123~R294~県41~R50、「宇都宮~前橋」は県2~県3~R293~R50、「前橋~水戸」はR50の走行ルートで算出。
- 整備後の移動時間はH23.6.2の実走行データ。
北関(太田桐生IC~佐野田沼IC)の開通に伴う国道50号の交通量の変化
国道50号の交通量:西新井断面は国土交通省トラカンデータ(H22年7月21日(水)、H23年7月21日(木))高萩断面は栃木県警トラカンデータ(H22年7月21日(水)、H23年7月21日(木))
:物流の効率化や地域経済の発展に寄与
- 輸送車両の安定走行や、物流の定時性の確保に北関が貢献しています。
- 群馬、栃木、茨城3県で、多くの工業団地が整備され、雇用機会の増加など、地域経済の発展に寄与しています。
北関を利用される企業の声
群馬・栃木・茨城県における工場立地件数の推移
医療環境の向上に寄与
- 北関を利用することで、一般道よりも速く安静にかつ広域的な救急搬送が可能となりました。
- 例えば、太田市から獨協医科大学病院への救急搬送においては、北関の全通により従来と比べ所要時間が約35分短縮されました。(平成23年3~9月で5件)
救急搬送を行う消防本部の声
北関の全線開通前後における、救急搬送時間の短縮(太田市~獨協医科大学病院)
- 北関を活用した新たなツアー商品の企画が行われるようになりました。また、地域の観光PR活動の範囲が拡大しました。
- お客様へのアンケート調査から、今後北関を観光・レジャーで利用したいとの意見が約6割を占めることが分かりました。