休憩施設における駐車マス拡充の取り組みについて
2020年6月18日
東日本高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社は、高速道路の休憩施設において顕在化している駐車エリアの混雑に対し、駐車マスの拡充の取り組みを進めています。
この度、2019年度の拡充実績と2020年度の拡充予定をとりまとめましたので、お知らせいたします。
<駐車マスの拡充数>
※普通車マス数と、兼用マスを含んだ大型車マス数の合計値
2019年度実績:約1,350台
2020年度予定: 約810台
なお、工事に際して、交通規制などを伴う場合がありますので、ご注意願います。個々の休憩施設の状況については、別紙または各社のWEBサイトをご確認ください。
また、多くのお客さまにご利用いただくため、サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)での長時間駐車はご遠慮いただくなど駐車場の適正なご利用にご理解とご協力をお願いいたします。
1.駐車エリアの課題
Ⅰ.深夜帯における大型車の混雑
深夜帯を中心に大型車の駐車マスが不足し混雑している状況は、依然として発生しています。深夜帯を中心に、例えばE1 東名 海老名SAでは、6時間以上の長時間駐車が全滞在量※の約6割を占め、1台による駐車マスの占有時間が長くなり、多くの車両の利用ができなくなるため、大型車の駐車マス不足の一つの要因となっています。
※全滞在量=駐車台数×駐車時間
Ⅱ.駐車利用の集中による混雑(SA・PA相互、時間帯)
大型車の駐車については、首都圏などの主要都市圏に近いSA・PAや、逆に主要都市圏から一定距離離れたSA・PAに偏っています。また、これらのSA・PAの利用は、同じような時間に集中するため、SA・PA相互および駐車マスの有効利用が適切に図られない状況となっています。
Ⅲ.不適切な駐車マスの利用
大型車マスに普通車が駐車する、または普通車マスに大型車が停車するなどの不適切な利用のために、本来駐車できる車両が駐車できない状況が発生しています。
また、兼用マスについても、普通車、大型車のそれぞれの駐車マスが満車になった場合に使用する設計となっておりますが、そのような利用がなされていないため、本来の機能が発揮できない事例が見られます。
既存休憩施設の駐車エリアを有効活用した改良により、駐車マスの拡充を図っています。また、駐車エリアの利用状況に応じて、普通車と大型車双方で利用可能な兼用マスを整備しています。
混雑の要因となっている長時間駐車抑制に対しては、注意喚起などの啓発活動を引き続き実施していくとともに、今後新たなソフト対策などを検討してまいります。
2. 2019年度の主な取組み
Ⅰ.駐車マスの整備【E1A新東名 静岡SA(上り)の事例】
ア)大型車マスの拡充
E1A新東名 静岡SA(上り)では、夜間時間帯を中心に駐車可能台数を上回る車両が滞在して、車路に大型車が駐停車するなど混雑していました。そこで、休憩施設の土地を大型車マスに変更するなどして、大型車の駐車可能台数を約2倍とし、混雑緩和を図りました。
拡張後の利用状況は、大型車の利用が増加する夜間時間帯でも大型車の駐車可能台数を確保することができ、駐車場不足をほぼ解消できました。しかしながら長時間駐車の車両も依然として存在しており、駐車マス不足の一つの要因となっています。長時間駐車はご遠慮いただき、多くのお客さまが効率的に休憩を取っていただけるよう、ご理解とご協力をお願いいたします。
イ)普通車と大型車どちらでもご利用可能な「兼用マス」の整備
限りある駐車エリアを有効にご利用いただくため、普通車と大型車双方でご利用いただける「兼用マス」の整備を進めています。「兼用マス」のご利用にあたっては、普通車、大型車それぞれの駐車マスを優先的にご利用いただき、それぞれの駐車マスが満車の場合には、「兼用マス」をご利用ください。
Ⅱ.駐車マスの適正利用の呼びかけ
ア)駐車箇所の利用平準化の取組み
SA・PA相互の駐車場利用の平準化を図るために、車種別(大型・小型)の混雑状況を表す満空表示板による情報提供を推進しました。2019年度は、SA・PA手前の本線での情報提供に加え、ジャンクション(JCT)の経路分岐部での提供も開始しました。
こうした取り組みにより、駐車場が混雑しているSA・PAを避け、比較的空いているSA・PAの利用を促すなどにより、利用の平準化を図っています。
イ)駐車マス適正利用の呼びかけ
従来より、大型車および普通車の駐車マスの適正利用については、高速道路会社のWEBサイト、SA・PAにおけるポスター、道路パトロールなどによる呼びかけをおこなっております。
特に、近年整備を進めている兼用マスについては、普通車の駐車需要のピークが主に休日の昼間であることと、大型車の駐車需要のピークが平日の夜間であることの差に注目した取組みのため、その目的の理解が広まるよう、高速道路会社のWEBサイト、SA・PAにおけるポスターなどによる呼びかけをおこなっております。
3.2020年度の混雑対策の取組み
Ⅰ.駐車マスの整備
2020年度、全国53箇所のSA・PAにおいて、新たに約810台の駐車マスの整備をおこなう予定です。
2019年度実績 43箇所 (詳細は 別紙1【PDF:62KB】) |
2020年度予定 53箇所 (詳細は 別紙2【PDF:62KB】) |
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工事前 | 工事後 | 増減 | 工事前 | 工事後 | 増減 | |
普通車マス数 (台)※1 |
2,465 (2,611) |
3,182 (3,340) |
+717 (+729) |
5,242 (6,268) |
4,867 (7,085) |
-375 (+817) |
大型車マス数 (台)※2 |
1,581 | 2,209 | +628 | 2,928 | 4,117 | +1,189 |
NEXCO3社 合計 |
4,046 | 5,391 | +1,345 | 8,170 | 8,984 | +814 |
- :( )は兼用マスを含んだ台数(兼用マス1台あたり普通車2台分としてカウント)
- :兼用マスを含んだ大型車マス数
注)表中の駐車マス数は現時点での計画であり、今後具体的な設計・工事を進める中で増減する場合があります
Ⅱ.さらなる駐車箇所の利用平準化の取り組み
E1東名・E1A新東名の一部の休憩施設において、ETCを活用した路車間無線通信により、駐車場の車種別満空情報をリアルタイムで把握し、情報板・WEBサイトで駐車場の満空情報や休憩施設の混雑状況のきめ細やかな提供をおこない、駐車箇所の利用平準化を図ってまいりました。
2020年度は、E1東名・E1A新東名の路線全体の情報把握を可能とするため、すべての休憩施設に同様の装置を設置してまいります。また、この取組みによる利用平準化の効果を把握し、他の主要路線への設置を検討してまいります。
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