「土工構造」の技術と設備の用語集

 高速道路を造るために山を削ったり、谷に土を埋たりする工事を土工工事といいます。

 谷などに土を盛った部分を盛土、形成して石積み・ブロック積みおよび植生を施して完成した盛土斜面 を「盛土のり面」と呼んでいます。これに対して、土(山・丘陵)を削った部分を切土、形成して石積み・ブロック積みおよび植生を施して完成した切土斜面 を「切土のり面」と呼んでいます。

植生のり面しょくせいのりめん

 切土や盛土によってできた斜面 をのり面といいます。こののり面を降雨による崩壊や凍上から防ぎ、緑化により景観をよくするために芝生や植樹等を施し、のり面を保護をしているものを植生のり面と呼んでいます。

コンクリート枠工わくこう

 雨水や風化の著しい土質の場合に、のり面保護のために用います。
 コンクリート枠工を大別するとコンクリートブロック枠工・現場打ちブロック枠工・吹付枠工の3種類があります。

コンクリートブロック積み工づみこう

 のり面下部の小規模な崩壊の防止と、のり面 下部の保護を主目的としています。
 のり面勾配が1:1より急で背面の地山(土砂)が締まっているなど土圧が小さい場合に用いられます。

コンクリート吹付工ふきつけこう

 のり面に湧水がなく、さしあたりの危険は少ないが、風化しやすい岩、風化しはげ落ちる恐れのある岩、切土した直後は固くてしっかりしていても、表面 からの浸透水により不安定になりやすい土質ならびに土丹などで植生工が適用できない個所に用いています。
吹付厚は、のり面の状況を考慮して決定しますが、10~15cmを標準としています。

アンカーこう

 鋼棒(アンカー)の引張り力により、のり面を締め付ける目的で用いられる場合と鋼棒のせん断抵抗によりのり面の滑動を抑止する事を目的に用いられます。

落石防止網らくせきぼうしもう

 落石の恐れのある斜面(のり面)において、落石から道路など既存施設を守るためにのり面に設置されている網です。
 落石防止網の構造には2種類あり、地山との結合力を失った岩石をネットの張力および落石と地山の摩擦によって拘束する覆式落石防止網と、上部に落石の入口を設けネットに落石が衝突することにより、落石の持つエネルギーを吸収する機能を持つポケット式落石防止網があります。

落石防止柵らくせきぼうしさく

 落石防止柵は、高速道路(本線)への落石を防止するために設置されている柵です。
 落石防止柵は、長大な切土のり面において、地震または集中豪雨などにより、万一落石した場合に落石防止網のみでは、危険と判断される個所等に設置しています。