構造物の損傷
これまで明確になっていなかった橋梁における鋼材の損傷や切土のり面におけるグラウンドアンカーやトンネル内空の劣化など、地盤材料の風化・劣化などの理由により新たな損傷が顕在化してきています。
橋梁損傷の現状
経過年数の増加に伴う老朽化の進展や大型車交通による疲労、塩害の影響など厳しい使用環境によって、著しい損傷が発生しています。特に鉄筋コンクリート床版については、床版上面のコンクリートの土砂化、鉄筋の腐食、床版下面のコンクリートの剥離等の損傷が顕在化しています。
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床版上面の変状:コンクリートの土砂化、鉄筋の腐食 -
床版下面の変状:鉄筋の腐食・コンクリートの剥離
トンネル損傷の現状
地中の湧水や地下水を起因とするトンネル周辺地山の風化・劣化による地山強度低下や吸水膨張によるトンネル周辺の土圧の増加により、路面の隆起や覆工のひび割れなどの損傷が発生。 特に地山が長期的に強度低下を示す岩種や膨張性を示す岩種において損傷の発生が顕在化しています。
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路面隆起によるひび割れ -
路面隆起による段差
土構造物(グラウンドアンカー)損傷の現状
降雨の影響による盛土・切土の損傷及び盛土材料の劣化による損傷や旧基準により設計・施工されたグラウンドアンカーの損傷が発生しています。 防食性能の低い旧基準で施工された旧タイプアンカーにおいて、腐食による劣化に伴い損傷が進行しています。
橋梁点検
近接目視や触診、打音による点検のほか、必要に応じて非破壊検査等を実施しています。 点検の結果を基に構造物の健全度及び変状を把握するとともに変状に対する補修・補強対策箇所の選定を行っています。
トンネル点検
CCDカメラによる撮影結果やトンネル覆工表面画像を利用して打音による点検個所の絞り込みを実施しています。